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3月6日(日)私が所属している長野県動物愛護会松塩筑支部で総会を行い、その後に「犬と猫のアレルギー性皮膚疾患の対処」というテーマで、スペクトラム ラボ ジャパン株式会社 テクニカルディレクターである、獣医師の荒井延明先生にご講演頂きました。講演内容も短い時間のなかでよくまとめられた充実した内容でしたが、一緒に行動をさせて頂いた時間のなかで、個人的にお話頂いた内容が、また大変興味深いものでした。
私的に今までナゼ?と思うことや、日常の飼育の中でこれは使えると思った内容が多かったので少し紹介したいと思います。

(1)ハウスダスト対策:イエダニが原因の一つである事は広く知られていますし、個体数が減れば症状が緩和されると単純に考えていたのですが、死骸であっても反応を起こしてしまうため、殺虫に重点を置くばかりでは効果は少ないそうです。
それよりもしっかり家具等にはたきをかけ、20分後に掃除機を完全にかける。これを週に一度行うと大分違うそうです。またダニは湿度の高い環境を好むそうですので、湿度を低く(40%〜60%以下)しておくこともポイントだそうです。

(2)発酵食品は本当によいのか?:よいそうです。ただし人間の場合は自分の体に合うものが動物性だったり、植物性だったりと個体差があるそうですが、犬・猫はほぼ動物性の発酵食品でよいそうです。
適度に乳酸菌等を補う事は大腸での抗原特異的免疫グロブリン抗体の産生に影響があり、食物に対しての過剰免疫反応を持つ段階で抑止してくれるそうです。
最近、コンビニ等で「花粉症に効く」などとキャッチフレーズのついた栄養補助食品を目にしますが、同様の理論から作られた商品の様です。ただし、ヨーグルト等でもアレルギー反応を起こす場合もありますのでご注意下さい。

(3)特定の原料のフードを続けたほうが良いのか?:アレルギー反応が起こるまでは良いそうです。というのは、ずっと同じ物を食べていて、ある日突然発症する事はどんな物でもあるそうです。もともとアレルゲンという言葉自体が通常は害のない物質という意味ですから、別に悪者扱いする事はないんですよね。
通常ここで特定のアレルゲンを除いた原料のフードに切り替えて症状を抑えるのですが、一度食物アレルギー反応を示した場合、別の原料にも抗原特異的免疫グロブリン抗体を産生しやすいそうです。
例えば、鳥肉系の原料ベースのフードでアレルギー反応が表れ、羊肉等の原料フードに切り替え、また魚類系フードに切り替えて、次に鳥肉系フードに戻してみるとしばらくは大丈夫といったことも実際にあるそうです。
ただし、これは高品質でバランスの取れたフードの中でのお話ですのでその点は忘れないで下さい。ちなみに抗原特異的免疫グロブリン抗体を調べるアレルギー検査をスペクトラム ラボでは行っているのですが、3ヶ月位の間で前回の検査結果と異なるケースもあるそうです。

まとめ:今回ここに載せさせて頂いた内容は先生とお話をした中でのほんの一部なのですが、簡単に短期間で良い結果を出すことは今の段階では難しいようです。
やはり、長期間の対処しかないというのが現状のようです。しかしながら、日常のちょっとした気配りでも大きな効果がある事や、現在おすすめしている商品に対して自信を持つことができた事は大きな収穫でした。もし、アレルギー検査等のことで興味をお持ちでしたら スペクトラム ラボ ジャパン http://www.SLJ.co.jp
こちらをのぞいて頂ければと思います。
あきらめずに長い目でペットと向き合って頂ければと願います。