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最近悲しい出来事がありました。私が4年前にお世話をさせて頂き、毎月店に顔を出してくれていたミニチュアシュナウザーが突然亡くなりました。原因は球根を食べたことによる中毒だろうということでした。
我が子の様に愛されていたオーナーの落胆ぶりは言うまでもありません。 このところ誤飲、誤食による事故の話を聞くことが多くなりました。
室内犬が増加傾向にあるためだろうとは思うのですが、人間と共生しているパートナーにとってどんなモノが危険であるか、認識していて損はないと思います。
今回は中毒をテーマにしたいと思います。
猫は食品中毒というものは非常に少ないそうです。これは恐らく犬と比べて野生に近いため食べては危険なものを本能で分けているのでしょう。犬も本来でしたらまず危険な食べ物は避けるそうです。
ですが日常の食生活の中で人間の食べるものをおすそ分けされているうちにこの本能は鈍くなってしまうのでしょう。
例えば菓子類や調味料にはオニオンパウダーやコンソメといったタマネギ等を含んだ食品が多く利用されていますし、生の野菜もアクが強いので本来は食べないのですが、加熱したものを一度口にすると食感がクセになるようです。
前述した食品等も多量に摂取しなければ、さほど問題にはなりませんが、こういう機会に味を覚えて盗み食いをして事故になってしまうパターンは非常に多いようです。
命には関わりませんが、イチゴ、柿、みかんといったペクチンの多い果物を食べて下痢をしたり、乳糖の多い牛乳やチーズを食べて皮膚病になったり下痢、おう吐したりということは、しばしば耳にします。
予防法はたとえ喜んでも興味本意で与えないということと、勝手に食べることは”イケナイ”と教えることしかないのではないでしょうか?
では、代表的な中毒例を少し書いておきます。
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ネギ中毒 |
タマネギ、長ネギ、ニラ、ニンニク等に含まれるアリプロピルジスルフィドが原因で血液が破壊され、食欲不振、ふらつき、貧血
疸、赤色尿、おう吐、下痢といった症状を示します。最悪の場合死に至ることもあります。 |
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チョコレート・カフェイン中毒 |
チョコレートやコーラ等のカフェイン飲料に含まれているチオプロミン、メチルキサンチン等が原因物質となり、
おう吐、下痢、多尿、興奮、不整脈、痙攣、これもやはり最悪の場合死に至ります。 |
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ちなみに5.0Kgの犬(ダックス、シーズー等)であれば、およそ板チョコ一枚分位が致死量になるようです。
そして、あまり知られていないのですが |
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植物中毒 |
スイセン、ポインセチア、クロッカス、クルミ、アロエ等が代表的。おう吐、下痢、流涎、痙攣、呼吸困難などの症状を示しこれもまた死に至る場合があります。 |
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他にも薬物等や金属等の中毒もありますが、今回は食品に限らせて頂きます。
ただ、ご理解頂きたかったのは身近にこれだけ危険なものが当たり前にあり、知らなければいたずらしていても気付かない。 突然体調が悪くなっても原因が解からないし、獣医さんで問診されても思い当たりもしない。検査の結果が出るまでにも弱ってしまう。
オーナーが早く気が付ければ救命率は必ず上がるはずですし、身のまわりに危険なものを置くこともないでしょう。
人間がペットにしてあげられる最高のことは彼らのことを学びながら共生していくことではないでしょうか。 |